本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

新時代を迎えるための「ITの教養」を身につけるには?

社会のIT(情報テクノロジー)化が急激に加速している。エンジニアとして、編集者として、私がIT業界に身を置いて29年が経過したいま、これまでで最も、変化は劇的で身体的であると実感している。 そんな中、国内の企業ではテレワークの導入が遅れている。普…

読書会の記録:『ぺてん師列伝』(種村季弘著) ~ぺてんと詐欺の本質を徹底討論~

本書の副題に「あるいは制服の研究」とあるように、読書会の冒頭は平田オリザさんの学園劇『転校生』を私が観劇したエピソードからはじまった。 紀伊国屋書店でホールの入り口を探していると、制服を着た女子高生の集団が「上ですよ」と声をかけてくれた。で…

『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』:ジュンク堂書店 池袋本店からのレポート

「ジュンク堂書店 池袋本店に『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』が平積みされていた」という情報いただきました。ジュンク堂書店 池袋本店といえば、国内のIT書籍のメッカです。しっかりと展示していただき、非常にありがたいです。書籍は大阪でも好調…

『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』:渋谷駅前TSUTAYAの書籍売り場を訪問しました。

渋谷駅前TSUTAYAの書籍売り場を訪問しました。『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』、6階奥のIT棚にありました。「わかりやすい!」「力作!」などのうれしい声をお買い上げの読者から多数いただいております。テレワークや電子決済など、ITが生活と仕事…

9月9日、「わからない人に教えたい人のためのIT入門講座 『ゼロから理解する ITテクノロジー図鑑』出版記念セミナー」、盛況にて終了

「わからない人に教えたい人のためのIT入門講座 『ゼロから理解する ITテクノロジー図鑑』出版記念セミナー」、盛況にて終えることができました。「なぜITはわかりづらいのか」「IT苦手の人が多いのはなぜか」をテーマに、書籍のことからITの歴史、昨今のユ…

『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』:MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店にお邪魔しました。

MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店にお邪魔しました。『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』、IT棚の目線にちょうどよい高さに面陳していただいています。書店員さんの対応もていねいで、非常にありがたいです。社会のITが加速する中、「聞くに聞けなかったIT…

『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』:紀伊国屋書店・西武渋谷店にお邪魔しました。

紀伊国屋書店・西武渋谷店にお邪魔しました。『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』、IT棚にきれいに平積みしていただいています。書店員さんにていねいにご案内いただきました。書店に訪れた人たちにていねいに接し、本をていねいに扱ってくれる書店員さ…

大人の夏休み一泊体験。つくばで味わった無邪気な夏の写真日記

8月某日、今後の地方分散社会を視野に入れ、東京近郊地方での生活とはどういうものかを知るため、一泊でつくばの田舎暮らし体験を試みた。 体験取材ということで一日目はいろいろと考えながら行動していたが、二日目は「楽しい」という純粋な体験・印象ばか…

東京ステーションギャラリーにてバウハウスの歴史を観覧。付録:オスカー・シュレンマーのエッセイ『人間と芸術像』

「開校100年 きたれ、バウハウス ―造形教育の基礎―」と題し、東京ステーションギャラリーで展覧会が開催された。9月6日(日)の最終日もそろそろ近づいてきたので、猛暑日、足を運んでみた。 ◎出口には実際に座れるマルセル・ブロイアーのパイプ椅子があった…

バウハウス ~引き継がれるべき、一つの歴史が終わったこと~

32年間、毎年必ずクリスマスカードの交換をしていたドイツの友人のコリンナから、昨年はカードが届かなかった。非常に筆まめな方で、なにかあったのだろうか、暑中お見舞いでも出して様子を伺おうかと考えていたら、あまりパソコンを使わない彼女から珍しく…

私の監修書籍『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』(プレジデント社)の見本が到着

私の監修書籍『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』(プレジデント社)の見本が到着いたしました。私がプログラマーとして編集者としてITに携わった29年間の総決算的書籍です。2年越しの制作に粘り強く対応いただいた渡邉さん、岩崎さん、武田さん、成宮さ…

セミナー・レポート:危機から見えた、新しい日本を考える ~高嶋哲夫氏によるオンライン・セミナーを開催~

◎オンライン・セミナーの模様 7月21日(火)、作家の高嶋哲夫氏をお招きし、「アフター・コロナを考える「新しい日本の形、新しい日本の創造」」と題し、本とITを研究する会主催のオンライン・セミナーを64人で開催した。高嶋哲夫氏は、『首都感染』(講談社…

本を読むにもノウハウがある ~あなたの読書を「最適化」しよう~

人は本を読む必要があるのだろうか?教養や趣味、娯楽など、読書にはいろいろなゴールがある。今回は、編集者として、また、一人の本好きとして、「情報収集のため」と「知識のため」をゴールに、「本の読み方」のお話をお届けしたい。 そもそも「情報収集」…

7月7日(火)、ピアニストの高橋望氏による第1回ブック・トーク大会、開催しました

7月7日(火)「withコロナ時代に捧ぐ読書の快楽 第1回 ブック・トーク大会」、無事終了しました。60分足らずで以下11冊を高橋望さんに猛スピードで紹介いただきました。 『モーツァルトの手紙』(高橋英郎訳、小学館)『方丈記』(鴨長明著、高橋源一郎現代…

7月21日(火)『首都感染』の作家、高嶋哲夫氏をお招きし、オンライン・セミナーを緊急開催

ウィズ・コロナ、ポスト・コロナ、アフター・コロナ、ニューノーマル、などなど……。新型コロナウイルスを巡って、さまざまなキーワードが生まれました。一方で、私たちはそんな言葉に翻弄されているようにも見えます。 本オンラインセミナーでは、『首都感染…

読書会の記録:『サド侯爵夫人』(三島由紀夫著、新潮文庫)

今年で早くも5年目に突入。20回目となった読書会のお題に、読書会初の戯曲、三島由紀夫の『サド侯爵夫人』を取り上げた。 基本、この読書会のメンバーはあくが強く満場一致の意見はまずないが、今回は見事に意見が分かれた。「共感できない、面白みがわから…

テレワークが加速させる、地方分権社会の形づくり

新型コロナウイルスの影響でテレワークを導入した企業が急激に増えた。 これにより、対面でも電話でもない、独特のコミュニケーション形態を味わってしまった人たちが急増した。 私もたびたびオンライン会議やWebセミナーを実施したが、なんともいえない距離…

新時代の受容と戦いを「差別」から扱った不朽の名作:『破戒』(島崎藤村 著)

私が高校生時代に亡くなった明治43年生まれの祖母から、実家山形の農家にいたときの次のような昔話をよく聞かされた。 村には「えた」という人がいて、茶碗を持って玄関の土間にやってくる。玄関から茶碗に食事を分け与え、決して土間から上に入ってこない。…

コロナと「変わる」ということ

新型コロナウイルスの到来で「働き方や生き方インフラがガラリと変わるされる」と言われている。 この、変わる、とはなにか?すなわち「革命」である。日本人が直近で遭遇した革命は150年以上前にさかのぼる。明治維新(Meiji restoration and "revolution"…

『紅い砂』(高嶋哲夫 著)を読んで ~社会変革と「壁」そして自由の本質(後編)~

(前編から続く) 警察が強権をふるう監視社会当時の東ドイツでは西ドイツのテレビ放送を傍受することができた。これにより東ドイツの人たちも西ドイツの情報を持っていたが、傍受した内容を学校や町中などで口にすると、市民に紛れた秘密警察(ゲハイムディ…

『紅い砂』(高嶋哲夫 著)を読んで ~社会変革と「壁」そして自由の本質(前編)~

『紅い砂』(高嶋哲夫 著、幻冬舎刊)は、元米兵ジャディスが率いる革命軍が内戦で中米コルドバの政権を奪取し、民主主義国家を樹立する、という物語だ。独裁政治と薬物による暗黒経済が支配するコルドバの国民は、自由を得ようと、メキシコとの間に米国が築…

読書会の記録:『方丈記私記』(堀田善衛 著)~激動の時代に「文化」を冷静に直視した作家の肖像~

今回読書会で取り上げた作品は、『方丈記私記』。堀田善衛といえば大正・昭和・平成を生き抜いた評論家。モンテーニュを扱った『ミシェル城館の主人』が文庫化され評価も高く、個人的にも読んでみたいと思っていた評論家である。で、『方丈記私記』とは、平…

いま考える、生存のインフラ「文化」について

見えない敵、新型コロナウイルスは、私たちの生活に覆いかぶさるよう日々情報を更新している。さまざまな意味で、破壊的である。先日は日本赤十字社が、ウイルスの次に来る脅威は「情報が与える恐怖」という啓蒙CMを流しはじめた。新型コロナウイルスの感染…

読書会の記録:『本居宣長』(小林秀雄著)(後編)

(前編から続く) さて、『本居宣長』の中でとくに重要なキーワードは「もののあはれ」と「ものしり人」である。そして根柢に流れているのは「音楽」だ。本居宣長は知識万能を嫌っていた。知識をつけたうえで、それを超える感性を備えなさい、ということを言…

読書会の記録:『本居宣長』(小林秀雄著)(前編)

小林秀雄と聞いて、皆さんはどんなイメージをお持ちだろうか? 「文章がよくわからない」「国語の受験問題で苦しめられた」「名前すら聞いたことがない」「素晴らしい批評家」 など、多様な返答が返ってくるはずだ。私の場合、小林秀雄というと父親の思い出…

読書会の記録:『ガリレイの生涯』(ベルトルト・ブレヒト著)

読書会、記念すべき第30回目に取り上げる作品は、戯曲である。どんな激動の時代にも「保身でしたたかに生き延びる人」はいる。その象徴的な一人が、今回読書会で取り上げた戯曲『ガリレイの生涯』(1943年)を発表した、ドイツの戯曲家で詩人、ベルトルト・…

自由で健康な心身で乗り越える、「情報」との戦い

一次情報にあたることで、情報としての毒性から逃れる新型コロナウイルスを書くことは、無闇に読む人の恐怖心を煽るというリスクがある。しかし恐怖心とは、「自分の力でコントロールできる」と気付くことにより、低減、もしくは消滅する。ここでは、「自分…

本当の意味での、本に向き合い自分に向き合う時代の到来

書籍の販売数は年々減少し、雑誌はさらに減少という状況を示す「出版不況」という言葉。出版業界にいる人が耳にタコができるほど聞いているお題目である。 最近は、雑誌が読まれる機会が本当に減ってきた。かつては雑誌流通が出版流通を下支えし、これに乗っ…

読書会の記録:某月某日『ヴェニスの商人の資本論』(岩井克人著)を読む

『ヴェニスの商人』といえばユダヤ人商人シャイロックの「人肉裁判」をクライマックスとするシェイクスピアの名戯曲。本作はこれを資本主義の原理と重ね合わせ経済学者が書き上げたエッセイ。 この手の書籍は読む人によりさまざまな意見が交差することが必定…

人と自然にまつわるさまざまな情報が集まる、川の土手

川の土手に出ると、人と自然にまつわるいろいろな情報が集まる。とくにすれ違う人とのあいさつを通した相手の表情や視線は、多くを物語っている。土曜は曇り空のせいもあってか、元気のない雰囲気だった。これは少なからず、新型コロナウイルスの影響だろう…