本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

セミナー・レポート:12月7日(金)開催「2019年新入社員育成対策・特別講座 正しいITエンジニア研修を考えるセミナー」~本とITを研究する会協賛~

◎日本のIT産業構造を図示する株式会社クロノスの大石宏一氏 12月7日(金)、株式会社クロノス東京本社セミナールームにおいて、同社大石宏一氏による「2019年新入社員育成対策・特別講座 正しいITエンジニア研修を考えるセミナー」が、本とITを研究する会の…

私が体験した23年前のITの「学び」

30万人のITエンジニア不足が予測される、2020年のIT業界問題をご存じの方は多いはずだ。12月7日(金)、その課題解決につながるセミナーを実施する。 私自身もこれには特別な問題意識を持っている。ちなみに30万人がどんな数かというと、私が住む埼玉県越谷…

日本初の駐輪場シェアリングサービス「みんちゅう」のビジネスモデルを分析する

シェアリングエコノミーがついに駐輪場の世界にまで進出してきた。 11月22日(木)、東京ビッグサイトの「シェアリングMeetup Tokyo」で展示された「みんちゅう」(https://www.min-chu.jp/)は、アイキューソフィア株式会社(https://www.iqsophia.com/)が…

2020年に来る30万のIT人材不足に備え、ITエンジニア研修を考えるセミナーを開催します

いま日本は、深刻な人材不足に見舞われている。仕事があるのに人材が確保できずに倒産する企業もこれからは増える。とくにIT業界は深刻である。 経済産業省が発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、2020年にはビッグデータやAI関…

台湾で考えたメディアのこと、日本の「本」のこと(後編)

台湾のテレビを見ながら日本のメディアのことを考えていると、ふと、日本の出版のことが思い浮かんだ。出版業界も視聴率を求めるテレビ業界と同様、経営難で生き残るために必死で、短期で収益化できる本が評価される傾向が日増しに高まっている。 ◎台北のメ…

台湾で考えたメディアのこと、日本の「本」のこと(前編)

9月27日から4日間、高雄経由で台北のITコンベンション「Taiwan Innotech Expo」と「Discover Advanced Trends in E-commerce 2018」に仕事で行ってきた。 ◎超高層ビル「台北101」を直下から撮影 超高層ビル「台北101」に隣接する台北世界貿易センターで開催…

澁澤龍彦の遺作、海洋伝奇小説:『高丘親王航海記』(澁澤龍彦著)

澁澤龍彦の遺作小説。同氏が亡くなられたのが私がちょうど大学のときで、いまでもはっきりと覚えている。 同級生には、彼の作品のどこが面白いのだろうかという懐疑的なものが多く、私自身同時代に何冊か読んでいたが、さほど印象は強くなかった。彼の死語数…

日本人の心のDNAを解き明かす古典評論:『本居宣長』(小林秀雄 著)

ヴァレリーやベルグソン、ユング、モーツアルト、志賀直哉など、好きなものを徹底追求し仕事と成果にした小林秀雄が最晩年の11年間を費やした対象が、国学者、本居宣長である。 本居宣長に関するひとつの答えは、この人は宗教家であったということ。小林秀雄…

セミナー・レポート:10月4日(木)開催「本をプロデュースするほど楽しい仕事はない! ~ゼロからわかる出版プロデューサー入門~」~第13回 本とITを研究する会セミナー~

10月4日(木)、株式会社スターダイバー セミナースペースにおいて、同社代表取締役の米津香保里氏を講師に、「本をプロデュースするほど楽しい仕事はない! ~ゼロからわかる出版プロデューサー入門~」と題し、第13回本とITを研究する会セミナーを開催した…

共同体をつなぐナショナルヒストリーとはなにか?:『台湾海峡 一九四九』(龍應台 著)/『創造の共同体』(ベネジクト・アンダーソン 著)

『台湾海峡 一九四九』は、台湾人の心の琴線に触れる迫害や闘争の歴史が、物語やルポ、インタビュー、ときには母が息子に語りかける形式で描かれ、美しい文体と技巧に富んだ構成が読者の心をつかむ作品。 台湾、香港での驚異的ベストセラーが意味するもの「…

市場に疑問を投げかける、日本の出版衰退史を描いた文学エッセイ ~『日本文学盛衰史 戦後文学篇』(講談社刊、高橋源一郎著)~

『日本文学盛衰史』の続編という位置づけで戦後現代文学をメインテーマに据えた作品。作者の高橋源一郎氏の絶妙なレトリックの中、彼の文学に対する愛、出版に対する情、近代に対する憧憬が立像のように浮かび上がってくる。 言葉から「抵抗」が失われた現代…

顧客課題の解決を巡るイノベーションの物語:『陸王』(池井戸潤 著)

2016年のベストセラーで、2017年にはテレビドラマにもなった作品。書名を見て最初はオートバイの開発物語かと思いきや、実は老舗足袋メーカーがアスリート向けのランニングシューズを開発するというイノベーションの物語だった。600ページはある大著。前半の…

セミナー・レポート:8月31日(金)開催「AI自動運転で書き換わる 業界のルールと法規制」~第11回 本とITを研究する会セミナー~

8月31日(金)ハロー会議室秋葉原駅前B会議室にて、「AI自動運転で書き換わる 業界のルールと法規制」と題し、第11回 本とITを研究する会セミナーを開催した。登壇者には西村あさひ法律事務所から福岡真之介弁護士、矢﨑稔人弁護士、鈴木悠介弁護士をお招き…

ジャニーズの芸能人が執筆した現代版『ウイリアム・ウィルソン』:『ピンクとグレー』(加藤シゲアキ 著)

この作品は、「芸能人だから……」という先入観を完全に捨てさせてくれた。文芸作品としての価値が高い。 いままで、文壇や版元が、芸能人の出版界への流入を意図的にシャットアウトしていたのではなかろうか。つまり「こっちの領域には来ないでくれ」と。 以…

セミナー・レポート:8月17日(金)開催「AI時代の子供の人生を豊かにする、プログラミング教育のチカラ」~第10回 本とITを研究する会セミナー~

8月17日(金)、サブタイトルに「つくばの古民家で論理思考を学ぶ意味」と冠し、「AI時代の子供の人生を豊かにする、プログラミング教育のチカラ」をC60東京本社・秋葉原セミナーラウンジにて開催した。 ◎AI時代を担う子供たちへの教育を熱く語る谷藤賢一氏 …

ディープブルーはなぜ勝ったのか?

しゃべり言葉に書き言葉、言葉にはいろいろあり、いずれも人間同士が考えを相手の頭脳に送り込むための媒体が言葉だ。人間同士の会話にはこうした言葉が使われるが、人がコンピュータに対して考えを送り込むために使う言葉は、いまのところ、プログラミング…

「ブラックボックス」のジレンマ ~AI時代に感性を磨く大切な意味~

近ごろはどこに行くにもiPhoneのGoogle Mapを利用している。行き先の住所や名称をインプットすれば自分の位置がマッピングされ、リアルタイムで行くべき方向を画面や音声で指示してくれる。大変便利だ。そこで最近気づいたことは、Google Mapを利用するよう…

AI自動運転に関する一つの提案 ~現代の産業革命を支える巨大な要素~

AI自動運転のことを考えていて、ずいぶん昔、工場にロボットが大量導入されたころ、ロボットが暴走して人間にけがを負わせたり殺してしまったらどうするのかという議論がさんざんとなされていたことを思い出した。しかし工場のロボットとAI自動運転の問題と…

2020年から必修化されるプログラミング教育への意見 ~なにを主眼に見据えるべきか?~

2020年から子供たちにプログラミング教育が実施される。この計画が果たして日本の教育に根付き、そして日本は欧米列強と並んでソフトウェア開発立国となることができるのだろうか。そして、日本がすべきプログラミング教育は、どこに主眼を置くべきか。これ…

「言文一致」を初導入した明治のサラリーマン文学 ~『浮雲』 二葉亭四迷~

明治20年に発表された『浮雲』を著した二葉亭四迷の名前は、「言文一致小説」の創設者として文学史に残されている。 いまでは小説で会話体が出てくるのは当たり前だが、昔は口語文語というのがあって、明確に使い分けられていた。 二葉亭四迷はそうした境界…

セミナーレポート:6月29日(金)開催「人にしっかりと伝わる アクティブ・ライティング入門」~第5回分科会 本とITを研究する会セミナー~

6月29日(金)、「人にしっかりと伝わる アクティブ・ライティング入門」と題し、株式会社ツークンフト・ワークスの三津田治夫を講師に、会議室MIXER(日本橋本町)にて第5回分科会セミナーを開催した。 ライティングを受け身ではなくアクティブに行うことに…

「人間を手段にしてはいけない」を説く古典名著:『人倫の形而上学の基礎づけ』(エマニュエル・カント著)

これはいわば、『プロレゴーメナ』の実装編である。訳者による前書きで「『人倫の形而上学の基礎づけ』を先に読んだ方がよい」とされている通り、その読み方をお勧めする。 『人倫の形而上学の基礎づけ』は豊富な具体例が添えられ、一つの事柄がいろいろな方…

カントの思想探検に最適な名著:『プロレゴーメナ』(エマニュエル・カント)

強烈に素晴らしい書物と巡り会った。『プロレゴーメナ』は、カントが自ら語っているが、代表作『純粋理性批判』の手引き書のようなものである。200ページちょっとで読め、かつ、内容密度が大変に濃く、読み応えがある。 形而上学の入門書としても読める形而…

時代を操る毒にも薬にもなる「神話」という魔術:『現代議会主義の精神史的状況』(カール・シュミット著)

某月某日、読書会初の試みとして、政治学を取り上げた。カール・シュミットといえば名著『陸と海と』があり、このイメージから、本文が100ページほどでAmazonにも在庫があったので、『現代議会主義の精神史的状況』が取りあげられることになった。読書会での…

おしらせ:6月29日(金)に「人にしっかりと伝わる アクティブ・ライティング入門」を開催します

好評のライティングセミナー、今月は29日(金)に開催します。言葉に積極的にかかわる書き方「アクティブ・ライティング」を学ぶ2時間のコースです。参加登録ページは以下です。 goo.gl 参加された方全員に、ライティングの要点中の要点がまとめられたカラー…

恐怖政治をもたらした自由と平等の革命:『フランス革命』(上・下)(アルベール・ソブール著、岩波新書)

人間に自由をもたらした革命。自由・平等・博愛の革命。もしくは、恐怖政治。マリー・アントワネットという無意識な人が好き勝手やっていた。ルイ十六世がダメだった。実はフリーメイソンの革命だった、など……。 フランス革命はいろいろな読まれ方があるが、…

セミナー・レポート:5月18日(金)開催、「はじめてのグラレコ・ミートアップ ~共創力を身につけよう~」 ~第6回 本とITを研究する会セミナー~

登録開始から数日で満席になり、その後も11人のキャンセル待ちになった人気セミナーのテーマは、「グラレコ(グラフィックレコーディング)」である。5月18日(金)、秋葉原のビリーブロード株式会社にて「はじめてのグラレコ・ミートアップ ~共創力を身に…

セミナー・レポート:5月11日(土)開催、「人にしっかりと伝わるアクティブ・ライティング入門」(後編)

セミナー・レポート後編では、Web記事の実例分析やワークショップを通して示された、実践メソッドをご紹介しよう。 「書く」技術を上げるポイントをまとめた三津田治夫講師作成の特別冊子も配布された。そばに置いて、繰り返し利用したい。 伝えるための媒体…

セミナー・レポート:5月11日(金)開催、「人にしっかりと伝わるアクティブ・ライティング入門」(前編)  

5月11日(金)、会議室MIXER(日本橋本町)にて、「人にしっかりと伝わるアクティブ・ライティング入門」が開催された。 ITの発達が、あらゆる人に「書く」必要性をもたらしている昨今、「書く」悩みを抱える人は多い。第4回分科会となるセミナーには、幅広…

「非宗教的な精神性」が組織と人類を豊かにする:『ティール組織 ~マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現~』(フレデリック・ラルー著)

英治出版の『ティール組織』は600ページ近い大著でありながら発刊早々で異例の3万部を突破したという、近年まれに見る話題のビジネス書だ。事業のイノベーションに参考になる例がありそうで気になるので、早速買って読んでみた。 まず、巻末の「本書に寄せて…