本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

読みました:『ハプスブルク帝国』(岩崎周一 著) ~共産主義以前の、東欧史の本質がわかる物語~

大変興味深く拝読した。30年前に読んでおいたら、いまの世界の見方が大きく変わっただろう。「なんでいままでハプスブルク帝国を知ろうとしなかったのだ!」と、長年のもやもやが解かれた印象が、今回の読後感だった。 東欧の本質はソビエトではなくハプスブ…

異端映像作家の全作品を通した正当な人物史:『パゾリーニ』(四方田犬彦著、作品社刊)

1088ページという長尺でありながらも、作品を通して人間パゾリーニに迫るという一貫した視点がブレない名作。 パゾリーニという名前を聞いただけでも、「ちょっとなぁ……」となる人は少なくない。エロ、グロ、汚い……、という単語でひとくくりに片づけられるこ…