本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

セミナー・レポート:4月3日(水)、株式会社C60秋葉原オフィスで「「エンジニアのための「おとなの速読」入門講座」 ~第18回 本とITを研究する会セミナー~」が開催

4月3日(水)に株式会社C60秋葉原セミナーラウンジにて、「「エンジニアのための「おとなの速読」入門講座」 ~第18回 本とITを研究する会セミナー~」が、同社代表の谷藤賢一氏を講師として開催された。

◎株式会社C60秋葉原セミナーラウンジにて、満員の会場f:id:tech-dialoge:20190404200821j:plain

エンジニアに向けた速読のメニューを紹介した本セミナーは、満員御礼で活況を呈した。

そもそもエンジニアはたくさんの本を読み、たくさんの文章を読む。
つねに文字と接している職業が、エンジニアであるともいえる。

◎速読のトレーニングをはじめる参加者たちf:id:tech-dialoge:20190404200931j:plain

セミナーが「おとなの速読」と題するのは、元々このプログラムが子供と共に開発された「iSO(いそ)式速読」というところから発する。つまり、iSO式速読の大人版である。

参加者には、TCP/IPディープラーニング、またVue.jsを扱った正統派のIT書や、ドラッカー稲盛和夫のビジネス書の古典を持参する人など、さまざまだった。また、速読に興味を持ったきっかけが、プロジェクトマネジメントの試験だったという参加者もいた。PMBOK(ピンボック)の分厚い仕様書を読むことに非常に苦労し、そこから速読への関心が高まったという。

◎持参した本で実際に速読にチャレンジする参加者たち。真剣そのものf:id:tech-dialoge:20190404201023j:plain

速読の簡単なトレーニングをし、トレーニング前と後とで読めた文字数を計測すると、会場でも20~50%の読む速度のアップが見られた。

速読のポイントとして、字面を並列に追わないこと、頭の中で音読をしないことがあげられる。
レーニングを通して文字をビジュアルとして脳の中に投影し、イマジネーションを高めることで、文字が流れるように頭の中に入り、読んだ文字から声が聞こえたり、においが嗅げたりするという効果が生まれる。会場からも、「坂道を下るように文字が読めた」「著者の声が聞こえた」「風景が見えた」「心が揺り動かされた」など、さまざまな感想を聞くことができた。

◎コンビニのお菓子選びにも実は無意識のうちに「速読」が使われている(人は商品名の字面を追わない)f:id:tech-dialoge:20190404201120j:plain

文字から音や匂いがというと一見怪しげに聞こえるが、これは、心理学でいう「共感覚」である。
作曲家のモーツアルトは、街の音や鳥のさえずりなど、耳に聞こえるものはすべて音符に変換され認識されていたという有名な逸話がある。それと類似の現象が、この速読の中で起こっている。

◎参加者が持参した『マスタリングTCP/IPf:id:tech-dialoge:20190404201212j:plain

◎会場には著者さんもご来場。献本をいただきましたf:id:tech-dialoge:20190411111113j:plain

速読を身につけることで、飛ばし読みをせずに、本の中身を理解しながら、大量の本や文書を読むことができる。これにより「積読」の解消はもちろんのこと、業務のマニュアルや文書、メール、Webなど、目前を通過する大量な「文字」の処理が格段と楽になる。

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今回、エンジニアに向けてこのようなセミナーを開いたのは、エンジニアには仕事の文字だけではなく、文学や哲学、歴史など、たくさんの本を読み、いわゆる「余計な知識」をつけていただきたいという願いも込められている。

とくに昨今、リベラルアーツという言葉が示すように、文系・理系という分画がなくなっている。性別や人種、国境、宗教、会社組織、地方自治体という分画までもが日増しに溶解し、曖昧化している。

このような時代の中、技術でリーダーシップをとるエンジニアにこそ、たくさんの本を読み、自らの意識の境界線を取り払い、より多くの人に横断的な価値が求められるサービスを提供していただきたい。

「速読」により、一人でも多くのエンジニアに「本」が読まれることを、心から願っている。

三津田治夫

 

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