辞書づくりに人生を賭ける編集者やその周辺の人間を描いた感動の物語。
実に軽快な筆づかい。
編集者の仕事に関しては取材を重ねたはず。
編集者に関する描写の本質においてはリアリティが高い。
私が手がけているIT書籍の編集は、次元は違えど辞書づくりに近く、地味で、こつこつと積み上げていく作業。
こういった、社会の表層には表れえない地下作業的な仕事に焦点を当て、商業的な成果を残したというところにも、この作品の価値がある。
さっと読めるライトな作品ながら、編集者、馬締光也が職業人として成長する過程が、少ない紙幅で見事に描かれている。彼は現代のヴィルヘルム・マイスターだ。
以下の写真は、映画『船を編む』のロケに使われた居酒屋です!
三津田治夫
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