2014年1月25日に『トランスクリティーク』(柄谷行人 著)にてはじまった読書会、11月7日をもって、のべで32回の開催となった。そして次回から8年目を迎える。
先日、その忘年会を開催した。
メンバーの増加やオフラインでの開催ができなくなるなど紆余曲折を経てきたが、この回数と年数をコンスタントに継続できたのは、まさに、本のチカラだ。
7年を経て、サークルでも同好会でもない、新しい形の集まりが、この読書会から生まれた。
とくにコロナ禍で、「新しい形の集まり」という意識が、ますます強くなった気がする。
本という「物体」と文字というインクの「記号」が、私たちメンバーという人間同士の「心」をつなげてくれた。
お金では買えない、人間の貴重なつながりだ。
本を通せば、組織や立場、年齢や性別を超え、人は腹を割って話せる。
言語の壁さえ取り除けば、人種や宗教も超えていく。
本とはそもそも、「話すチカラ」を、人から引き出す存在である。
本は、人と人とをつなぐ。
本は、素晴らしい。
三津田治夫