本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

文化と日常の不思議な関係

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今回のコロナ禍で「文化」という言葉が海の向こうからはたびたび聞こえてきた。
飲食店や舞台、ライブなど、言葉や作品の対話がリアルに交わされる場が閉鎖されたため。
しかしこの状況に日本で、「文化」という言葉が使われることが少なかった気がする。
「文化」という言葉に、
 
「実生活から遠く離れた非現実なもの」
「時間とお金にゆとりがある人にのみ与えられるもの」

というイメージを持った日本人が多いと推測するが、どうだろう。 
駅前の居酒屋で大きなビジネスや壮大な歴史・哲学が話されることもある。
街の小さな書店で壮大な文学作品を手にすることもある。
舞台や映画館では質の高いパフォーマンスが世界から定期的に送り届けられている。
こうした文化に日本人も日常で接しているのに、である。
逆に、日本では文化が日常生活の中に溶け込んでいるからさほど意識しないで人々が生活している、という意味なのだろうか。

三津田治夫