『落葉』(高嶋哲夫著)を拝読させていただきました。
「パーキンソン病+ネットカルチャー+エンタテイメント+スタートアップ(ビジョンハッカー)」
といった、高嶋哲夫さんの鋭い視点から「いま」が切り出されている興味深い作品です。
パーキンソン病という身体的なものを、またTouTubeやSNSというビジュアル的なものを、小説という文字と文脈で表現するという、高嶋さんにしかできない妙技が面白いです。
高嶋さんの作品には必ず家族が出てきます。
その家族は血縁だけでなく、ふとした出会いが結んだコミュニティも一つの家族です。
そんなコミュニティが主人公を中心に一大事を成し遂げる物語です。
ネタバレするので、この辺で。
いまなぜ高嶋さんがこの題材で作品を書くことになったのか、大変興味があります。
コロナ禍において、身体とネットという相対する存在に興味を持たれたのかもしれません。
ぜひ、ご一読をお勧めします。
三津田治夫