『マタイ受難曲』(磯山雅 著、東京書籍刊)のオリジナルは残念ながら現在絶版。
文庫版にフォーマットを変え再刊されている。
このカバー、実は半透明のハトロン紙。
これを外すと、光沢表紙へ4色で印刷されたイエス・キリスト像とバッハの楽譜が出てくる。
私が購入した和書で、最も美しい書籍。
(残念ながら写真ではカバーが経年劣化)
ここまでリッチな装丁は、いまはなかなか実現できない。
もちろん、内容はいわずもがな。実に素晴らしい。
なぜバッハが、イエス・キリストがゴルゴダの丘に向かうシーンをあえて冒頭に描いたのかなど、聖書のテキストクリティークから楽譜の検証まで、バッハ愛に満ちあふれた磯山節が随所に現れている。
一読をお勧めします。
三津田治夫