本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

AIは労働「道」を生み出す

「AIは人間の労働を奪うか?」という恐怖感は、産業革命の時代に労働者たちが蒸気機関の機械を打ち壊した恐怖感に似ている。現代においては、奪う、ではなく、「代替する」が正しい表現だろう。 AIにより人間の労働時間が減少すれば、ベーシックインカムのよ…

古代ギリシャから読み解くリーダー論:『国家』(上・下)(プラトン著)

日本国内ではリーダー不在の政治不信が続き、書店のビジネス書棚に向かえばリーダー論に関する書籍が大量に置かれている。今回は、日本人が渇望するリーダーのあり方・考え方に対し、その源流となる書物をひもといてみたい。ビジネス書にも少なからず、こう…

第2回飯田橋読書会の記録:AI・人工知能に「意識」は生まれるのか? 『意識と本質』(井筒俊彦 著、岩波文庫)

某月某日、都内某所で開かれた読書会のテーマは、『意識と本質』だった。AI・人工知能に「意識」は生まれるのか。そもそも意識とはなんなのか。この本を通して考えてみたい。 本書のテーマは書名の通りで、非常に明確なフレームワークが冒頭数十ページで示さ…

ITは現代資本主義を救えるのか? 『最後の資本主義』(ロバート・ライシュ著)

山積された問題を克服し、いま瀕死の状態にある現代資本主義を乗り越え、新しい資本主義を創り上げていくことをテーマにした本。 著者のロバート・ライシュは資本主義を、人類の持つ共有財産として捉えている。『最後の資本主義』という挑発的な邦題から資本…

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その昔、情報とは文字だった。情報技術/ITは、15世紀のドイツ、グーテンベルグによる活版印刷からはじまりまった。文字を活字に分割し、活字を亜鉛合金で鋳造し、インクを盛り、紙に刷り込む機械の開発まで、文字情報を大量生産する一連の技術を、グーテン…