本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

「クイーンと私」【その5】:『シートキッカーズ』

クイーンのライブ盤というと『ライブ・キラーズ』が有名で、私はリアルタイムでよく聞いていたが、スタジオ録音に技巧を凝らしまくったクイーンの楽曲のライブには、いささか物足りなさを感じていた。
そんな矢先、16歳のときに地元の中古レコード屋さんで1500円で手に入れた『SHEETKEEKERS』は、頭を打たれたような衝撃だった。この音源との出会いも、私のクイーンに対する見方を大きく塗り替えた一枚だ。
クイーンマニアの友人にこの盤を見せたところ「よく出回っている有名な海賊盤」とのこと。海賊盤という言葉もこのとき初めて聞いた。
音質は良く、決してラジカセなどで録ったものではない。
おそらく商業機器で録音した音源の「流出」ものであろう。
ジャケットの曲目を見てもわかる通り、演目はすべてファーストかセカンドからのもの。
『シアーハートアタック』が出る前の、クイーンがスターダムにのし上がる直前の、脂ぎったライブの迫力が聴いて取れる。
ビッグになる前のバンドの激しく、不良っぽい、ナマの、いい雰囲気が出ている。
フレディの声もほぼスタジオのようなハイトーンが出ており、最高に良かった時期である。
私のとっての名盤である。

三津田治夫