本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

読みました:『新規事業を必ず生み出す経営』(守屋実 著) ~日本の企業たちに向けた現代の寸鉄詩~

税込14,850円の高額書ながら、重版を重ね売れ続けている名著。
守屋さんの既刊『起業は意志が10割』『新しい一歩を踏み出そう!』の論調を軸にし、新規事業や起業に取り組む人にとって価値のある、最新事例と著者の見立てが読める。

大企業で発生する「あるある」アンチパターンや、
「差別化じゃなくて独自化できる事業」
「自分ごとではないから、顧客に対する価値発揮に執念を燃やしていない」
などの箴言警句の数々、
巻末には著者が書き溜めた膨大な数のノートからの「語録」が掲載されている。

スタートアップ企業の最新事例として「ドクターメイト」や「ヴァルト・ジャパン」などが取り上げられている。
彼らの立ち上げ時の模様は、当社で制作をお手伝いさせていただいた『DXスタートアップ革命』でフルカラーで臨場感高く読むことができる。
紙版・電子版、ともにまだ手に入るので、本作『新規事業を必ず生み出す経営』の副読本として、
ぜひ読んでいただきたい。

日本のGDPがインドに抜かれ世界4位に転落しそうになったり、日本のデジタル競争力が過去最低の64か国中の32位に転落したり、日本全体からやるせのない元気のなさが漂っている。

が、本作の事例や著者の言葉を読むことで手に入ることが多くある。
あなたの感性で、次の一歩を踏み出す心のタネである「意志」をつかみ取っていただけるに違いない。

三津田治夫