本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

読みました:『ネオ・ダダの逆説 ~反芸術と芸術~』(菅章 著、みすず書房 刊) ~アートとその本質とのジレンマ~

作者は『現代美術史』(山本浩貴著)に記された日本現代美術史を取り上げ、「驚くべきことに〈ネオ・ダダ〉は〈ハイレッド・センター〉の項目の中で、赤瀬川原平を語る際(「赤瀬川原平とネオ・ダダ」という小見出しが付され)わずか10行の記述にとどまり、…

「SEによる、SEのためのパワー交換会」を開催しました。

2月14日(水)、「顔OFF OK」ということで、IT開発現場のエンジニアたちが11人集まり、IT書籍著者・IT教育コンテンツ開発者の谷藤賢一氏を中心に、参加者たちとの現場ぶっちゃけ本音トーク「SEによる、SEのためのパワー交換会」を、のべで3時間行った。 独立…

第45回・飯田橋読書会の記録:『アラブが見た十字軍』(アミン・マアルーフ著)

2023年ラストの飯田橋読書会は、『アラブが見た十字軍』(アミン・マアルーフ著、 筑摩書房刊)を取り上げた。アラブが語られる際に、私たちの耳目に入る情報は西洋からのものがほとんどであるが、本作はアラブがいかに西洋から侵略されたのかという逆の視点…

「クイーンと私」【その3】:『クイーン詩集』

クイーンの歌詞は、取りつく島のない、物寂しい、薄暗いものが多い。その対極に「バイシクル・レース」のような純粋な言葉遊びがあったり、クイーンの作り出す詩の世界のコンテキストは奥深く広い。 私が『クイーン詩集』を買った当時(大学生)も、クイーン…

2/23(金)休日、イベント「ピアニストによる ブックトークと音楽」を開催します

FM番組「クラシック音楽への旅」のパーソナリティをつとめるピアニスト髙橋望が、本と音楽のコラボ・イベントを開催します。 ゲーテ、バッハ、三島由紀夫、シューベルト、川端康成、ショパン、E.T.A.ホフマン、シューマン、チャールズ・バーニーなど……。古今…

読みました:『ねむれ巴里』(金子光晴著)~濃い日本人が多数登場する1930年詩人のパリ滞在記~

少女の頭蓋骨から作った杯を見たとか、川の上の娼館から落ちた娼婦が鰐に食われたとか、どこまでが本当でどこからが詩想なのか、境界線がほとんど見えない金子光晴(1895~1975年)の作品は面白い。本作は純粋な紀行文学、文明論、エッセイとして味読できる…

「クイーンと私」【その2】:『戦慄の女王』

デビューアルバム『戦慄の女王』において、すでにクイーンは完成されていた。映画『ボヘミアン・ラプソディ』ではこれ以前の、ブライアン・メイとロジャー・テイラーが結成した「スマイル」の時代から描かれている。スマイルがあのままのバンドだったら、よ…