本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「言葉とはなにか」を鋭くえぐった名著:『グラマトロジーについて』(ジャック・デリダ著)(前編)

マルクスと言えば『資本論』、カントと言えば『純粋理性批判』、デリダと言えば『グラマトロジーについて』というぐらいの大作、代表作。この本を読むために、フッサールの『現象学の理念』とハイデッガーの『存在と時間』を読んでいた。フッサールとハイデ…

映画化もされた情熱編集娯楽劇は面白い:『船を編む』(三浦しをん著)

辞書づくりに人生を賭ける編集者やその周辺の人間を描いた感動の物語。実に軽快な筆づかい。編集者の仕事に関しては取材を重ねたはず。編集者に関する描写の本質においてはリアリティが高い。 私が手がけているIT書籍の編集は、次元は違えど辞書づくりに近く…

7月3日(水)開催「AI導入は出版業界を救うか?」のチケット予約販売を開始しました!

7月3日(水)に神保町の日本出版クラブで開催する勉強会「AI導入は出版業界を救うか?」のチケット予約販売を開始いたしました。すでに席が埋まってきているので、お早目の登録を、以下サイトからお願いいたします。 「AI導入は出版業界を救うか?」チケット…

7月3日(水)19:00~「出版を元気にするプロジェクト:「AI導入は出版業界を救うか?」~本とITを研究する会~」を開催!

きたる7月3日(水)19:00~、日本クラブ会館(http://shuppan-club.jp/)にて、「出版を元気にするプロジェクト:「AI導入は出版業界を救うか?」~本とITを研究する会~」を開催いたします。登壇者は、以下の4名が決定いたしました。 ・沢辺 均(JPO出版情…

壮大なテーマと詳細なデータで読者を「次世代の大使」へと導く、リーダー必読の啓蒙書:『海の歴史』(ジャック・アタリ著)(後編)

(前編から続く) 後半は、海とともに人間がいかに生き残り、いかに成長するのかを提言する。歴史や政治経済は組織のトップダウンで決めるものではなく、ボトムアップで個人が作り上げていくという姿勢を、著者は一貫して崩さない。そのうえで、一人一人が人…