2017-01-01から1年間の記事一覧
2017年も残すところあとわずかになりました。仕事納めや大掃除など、師走のお忙しい時期を過ごされていると思います。7月にコミュニティが発足して、12月でちょうど半年が経ちました。この半年、大変お世話になりました。無事、年を開けることができそうです…
『群集の心理』は80年前の作品だが、まさにいまのグローバル化社会という「未来」を予言した書物。500ページを超える大著で、行ったり来たりと、なかなか噛み応えがある文章で、非常に難解。 大づかみに結論だけを要約すると、共産主義も資本主義も双方ゴー…
今回な趣向を変えて、19世紀のドイツ文学を読んでみた。 妻と子供を愛する健全な農民ミヒャエル・コールハースの、数奇な人生を描いた作品。 ミヒャエル・コールハースが手塩にかけて育てた馬を連れ国を出ようとすると、国境で不当な通行税を請求される。通…
数年前ある著者さんから、「これは面白いから」と薦められて手に入れ書棚に放置されていた本を、一気に読んでみた。結論だけ言うと非常に面白く、ビジネス小説の枠組みを超えた大作であった。 舞台は1970年代を思わせる工場。著者が唱える、ToC、つまり、「…
12月11日(月)開催の第1回分科会のテーマは「ライティング」(書く)です。 Webやblog、SNS、冊子、雑誌、書籍など、魅力的な情報を発信するために必須となる不動の技術、「書く」テクニックをお伝えします。 人に情報を伝え、行動を成果に結びつけたい、経…
古典を取り上げることが多い読書会で、今回の第18回目ではアクチュアルなベストセラーを初めて取り上げた。 ベーシックインカムと労働をテーマに人類のユートピアを探求する『隷属なき道』(http://amzn.asia/6pAsHxy)は、オランダの29歳の歴史学者が書き上…
社会科学エッセイとして珍しくもベストセラーになった2012年の作品。 どんなふうに書かれているのか、また作者がどういった論点で語っているのか、非常に興味があり、読んでみた。 『哲学の起源』というタイトルから得た第一印象は、存在とはなにか、自分と…
11月11日(土)セミナー「現役編集者による 人に伝わるライティング入門」( https://goo.gl/TbRGEj )を開催し、多くの方々にお集まりいただいた。ここでは、そのレポートをおおくりする。 参加者には、大学教授から法務関係者、Web制作会社の経営者、プロ…
ナポレオンとは毀誉褒貶に満ちた不思議な男だ。男の中の男とか、英雄中の英雄、軍事の天才として、歴史の中に強く記述されている。フランス革命後、封建制からの解放を旗印にヨーロッパ中を戦渦に巻き込んだ恐ろしい人物ではあるが、一方で攻め込まれたロシ…
全世界で2300万部を売り上げたいわずもがなのベストセラー。「これは面白い」という人が多く当時から気になっていたが、このページ数に圧倒され読むことを長らく拒んでいた。数年前ブックオフで100円で購入していたので、書架から取り出し、一気に読んでみた…
11月11日(土)に、「本とITを研究する会」第2回目のセミナーの開催が決定いたしました。今回は参加人数を10名に限定し、分科会的な学びの場としました。いまやITとは切っても切り離せない「ライティング」がテーマです。書くことに対するお持ち帰りがいただ…
ネットにつながる大衆、街に群がる大衆、投票する大衆、列車に乗り込む大衆、旅行に大挙する大衆……。いまや当たり前に大衆の時代だが、それが認知されたのが20世紀前半。一世紀近く前の混迷の時代に書かれた書物から知恵を拝借すべく、某月某日、都内某所で…
「情報氾濫の時代」「ゴールの見えない混迷の時代」「リーダー不在の時代」などなど、いまの世の中、しばしばこのように表現される。確かにその通りで、有史以来、時代の変わり目は必ず先行き不透明になる。そんな時代に、時代を画す知性や知恵が現れるとい…
1998年、いまから19年前、Perlの開発者、ラリー・ウォール氏来日を記念してインタビューを実施した。ZDNet Japan(現IT Media)の記事として書いたその内容を、前回の基調講演の記事に続くものとして、アップしました。 前回同様、コンピューティング世界史…
1998年、いまから19年も前の話になるが、Perlの開発者、ラリー・ウォール氏が来日した。そのときの基調講演の模様をZDNet Japan(現IT Media)の記事として書いた。 ラリー・ウォールといえばオープンソースの神様で、私はこの基調講演に聴き入ってしまい、…
「われわれは歴史の<頭>にも<足>にも心を奪われるべきではなくて、その全身にこそ専念すべきである。」 日本が誇るSF大作『攻殻機動隊』はハリウッドで映画化され、スカーレット・ヨハンソン扮する草薙素子は「自分ってなに?」の自分探しをはじめる。原…
2017年8月26日(土)TKP新宿ビジネスセンターにて、「AI(人工知能)ビジネスの可能性を考える」~第1回 本とITを研究する会セミナー~が、満員御礼にて無事開催されました。その一部始終をお届けします。 ●AIは情報の「予測」と「分類」をしているだけ登壇…
8月26日(土)、満員御礼にて「AI(人工知能)ビジネスの可能性を考える」~第1回 本とITを研究する会セミナー~ https://goo.gl/74tiZf が無事終了しました。この場を借りて深く感謝、お礼を申し上げます。皆様とお目にかかれ、本当に嬉しかったです。また…
キング牧師というと非暴力でアメリカ公民権運動を貫いた偉人である。最近では、トランプ大統領の白人至上主義者的発言が指摘されたり、彼の父親が実はKKK(白人至上主義結社)のメンバーだったと暴露されるなど、米国内では改めて差別の問題が問われている。…
第3次人工知能ブームの与えた貢献は、人類の未来の可能性や利便性を高めるといった期待以前に、私たち人類に「問い」を投げかけたという点にある。 つまり、「知性ってなに? 人間ってなに? 身体ってなに?」と、AIは、人が自問自答し、人が哲学的になるき…
「UXデザインワークショップ」として、2016年7月、都内でPepperプログラミングのワークショップが開催された。 「ロボット演劇」を編み出した平田オリザさんの演劇・演出の手法が、いかにPepperプログラミングに有効かが、さまざまなワークと共に伝えられた…
2014年、上智大学四谷キャンパスで、『資本主義的民主制の下で人類は生き残れるか』(Capitalist Democracy and the Prospects for Survival)と題するノーム・チョムスキー教授の講演を聞いてきた。現代資本主義の崩壊やポピュリズム政党の出現、そして、AI…
2015年、劇作家の平田オリザさんがpepperのプロジェクトにかかわられた件を東京藝術大学や豊岡市の関係者に取材し、記事にしました。 志賀直哉にまつわる古風な温泉にpepperとは、なかなか風流なものです。pepperプロジェクトの背景やその未来まで、本ブログ…
8月26日(土)に、本とITを研究する会第1回記念セミナー「AI(人工知能)ビジネスの可能性を考える」(https://goo.gl/74tiZf)を開催するが、それを踏まえて、ライブイベントにはどういった意味と価値があるのか、以下、考察してみた。 以前、エーリッヒ・…
72年前、1945年の明日、8月6日、午前8時15分、核兵器が人類に初めて使われた。広島に原爆が投下された日時である。 それから9年後の1954年、ビキニ環礁で操業中の漁船、第5福竜丸が米軍の核実験に巻込まれ被爆した。 その模様と後日談は『ビキニ事件の真実――…
他人の共感を得て意識を共有するためにも「ストーリー」(物語)は大切。その人ならではのエピソードや事件が時間的な前後の脈絡でつながり、ドラマを織りなす。そしてドラマであるから人は共感する。 出会いと対話を通し、参加者と「ストーリー」を共有する…
「小説を多く読むことが他人の心理状態の理解につながる」という研究成果があるらしい。文学作品を通じ、他者の考えについて想像することができるようになるという。 「共感の時代」といわれるいまこそ、文学作品の価値は高いといえる。いまの時代を豊かに生…
「AIは人間の労働を奪うか?」という恐怖感は、産業革命の時代に労働者たちが蒸気機関の機械を打ち壊した恐怖感に似ている。現代においては、奪う、ではなく、「代替する」が正しい表現だろう。 AIにより人間の労働時間が減少すれば、ベーシックインカムのよ…
日本国内ではリーダー不在の政治不信が続き、書店のビジネス書棚に向かえばリーダー論に関する書籍が大量に置かれている。今回は、日本人が渇望するリーダーのあり方・考え方に対し、その源流となる書物をひもといてみたい。ビジネス書にも少なからず、こう…
某月某日、都内某所で開かれた読書会のテーマは、『意識と本質』だった。AI・人工知能に「意識」は生まれるのか。そもそも意識とはなんなのか。この本を通して考えてみたい。 本書のテーマは書名の通りで、非常に明確なフレームワークが冒頭数十ページで示さ…