本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

「クイーンと私」【その6】:『無敵艦隊スターフリート』(ブライアン・メイ&フレンズ)

このジャケ写真を見てお気づきの方も多いと思うが、これは1980~1981年にテレビ放映されていた永井豪原作のSF人形劇『Xボンバー』である。当時は「日本版サンダーバード」と喧伝されるほど高度な技術を導入した人形劇だったが、残念ながら視聴する子供たちは少なかった(が、私は観ていた)。

このようなマニアックな番組に目を付けたのが、クイーンのギタリストであるブライアン・メイだ。サンダーバードの故郷である英国との親和性もあってか、同国で『スターフリート』として放映された『Xボンバー』は人気を博し、ブライアン・メイの息子さんはこの番組に熱狂していた。そんな息子さんの熱狂に応える意味で、『スターフリート』をテーマに楽曲を制作。日本では『無敵艦隊スターフリート』という題でミニLPとしてリリースした。

内容は、『スターフリート』をテーマにした軽快なロックと、あとはブルース。インストゥルメンタルもあり。しかもこの楽曲のすごいところは、残念にも鬼籍に入られてしまったエディ・ヴァン・ヘイレンとのコラボである点。裏ジャケにはブライアン・メイ自作のレッド・スペシャルとヴァン・ヘイレンストラトキャスターが並べて撮影されている。
無敵艦隊スターフリート』を聞いた当時の私は驚いた。なんでクイーンのブライアン・メイヘビーメタルに分類されていたヴァン・ヘイレンと組むのかと。しかしあとでわかったのは、ブライアン・メイはかなりハードな音楽嗜好を持つということ。ソロアルバムの楽曲はかなりハードだし、尊敬するギタリストはジミ・ヘンドリックスであるとの意見も一貫し、スマイル時代にはライブでパープル・ヘイズをコピー演奏していたほどだ(CD『ゲッティン・スマイル』の付録音源として聴くことができる)。
ちなみに、日本で『Xボンバー』が放映された際のテーマソングは、日本ロックの草分けであるバウワウが提供していたことを付記しておく。山本恭二のギターワークが平和なお茶の間を駆け巡ったのは新鮮な体験だった。つまり、『Xボンバー』にはロックがよく似合うのである。
無敵艦隊スターフリート』は現在CDになっているかどうか定かでないが、YouTubeでPVとして視聴することができる。ぜひ検索し、ご賞味いただきたい。

三津田治夫