本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

第29回・飯田橋読書会の記録:『本居宣長』(小林秀雄著)(後編)

(前編から続く) さて、『本居宣長』の中でとくに重要なキーワードは「もののあはれ」と「ものしり人」である。そして根柢に流れているのは「音楽」だ。本居宣長は知識万能を嫌っていた。知識をつけたうえで、それを超える感性を備えなさい、ということを言…

第29回・飯田橋読書会の記録:『本居宣長』(小林秀雄著)(前編)

小林秀雄と聞いて、皆さんはどんなイメージをお持ちだろうか? 「文章がよくわからない」「国語の受験問題で苦しめられた」「名前すら聞いたことがない」「素晴らしい批評家」 など、多様な返答が返ってくるはずだ。私の場合、小林秀雄というと父親の思い出…

第30回・飯田橋読書会の記録:『ガリレイの生涯』(ベルトルト・ブレヒト著)

読書会、記念すべき第30回目に取り上げる作品は、戯曲である。どんな激動の時代にも「保身でしたたかに生き延びる人」はいる。その象徴的な一人が、今回読書会で取り上げた戯曲『ガリレイの生涯』(1943年)を発表した、ドイツの戯曲家で詩人、ベルトルト・…

自由で健康な心身で乗り越える、「情報」との戦い

一次情報にあたることで、情報としての毒性から逃れる新型コロナウイルスを書くことは、無闇に読む人の恐怖心を煽るというリスクがある。しかし恐怖心とは、「自分の力でコントロールできる」と気付くことにより、低減、もしくは消滅する。ここでは、「自分…