本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

ブックレビュー

第13回飯田橋読書会の記録:『白痴』『堕落論』(坂口安吾 著) ~文学作品を読み、「共感力」を高める。~

「小説を多く読むことが他人の心理状態の理解につながる」という研究成果があるらしい。文学作品を通じ、他者の考えについて想像することができるようになるという。 「共感の時代」といわれるいまこそ、文学作品の価値は高いといえる。いまの時代を豊かに生…

古代ギリシャから読み解くリーダー論:『国家』(上・下)(プラトン著)

日本国内ではリーダー不在の政治不信が続き、書店のビジネス書棚に向かえばリーダー論に関する書籍が大量に置かれている。今回は、日本人が渇望するリーダーのあり方・考え方に対し、その源流となる書物をひもといてみたい。ビジネス書にも少なからず、こう…

第2回飯田橋読書会の記録:AI・人工知能に「意識」は生まれるのか? 『意識と本質』(井筒俊彦 著、岩波文庫)

某月某日、都内某所で開かれた読書会のテーマは、『意識と本質』だった。AI・人工知能に「意識」は生まれるのか。そもそも意識とはなんなのか。この本を通して考えてみたい。 本書のテーマは書名の通りで、非常に明確なフレームワークが冒頭数十ページで示さ…

ITは現代資本主義を救えるのか? 『最後の資本主義』(ロバート・ライシュ著)

山積された問題を克服し、いま瀕死の状態にある現代資本主義を乗り越え、新しい資本主義を創り上げていくことをテーマにした本。 著者のロバート・ライシュは資本主義を、人類の持つ共有財産として捉えている。『最後の資本主義』という挑発的な邦題から資本…

昭和の話芸を文字で堪能する:『おなじみ 小沢昭一的こころ』(芸術生活社刊)

小沢昭一先生が鬼籍に入られてはや1年。 人間とは死んでしまうと忘却の中へとすっかり埋没してしまうものだが、書物はそうした過去の存在を言葉を通して目の前に甦らせてくれる。 「小沢昭一的こころ」とはかつてTBSラジオで放送していた超長寿番組のタイト…