本とITを考える

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本やニュースを読みながら、ITの未来を考えていきます

3月9日(金)「“人が集まる”ライティング入門」~第3回分科会 本とITを研究する会セミナー~、開催します。

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本とITを研究する会、第3回分科会のテーマは「“人が集まる”ライティング」と題し、経営者や採用担当者に向け、企業に人を集めるための、ライティングを通したWeb上での表現テクニックをお話しします。

IT編集者の私がこのようなテーマを話す理由は、編集者として22年間さまざまな人たちと書く現場を共有し、実際に書くことでセルフ・ブランディングを成功させた企業や個人たちと数多く出会ってきたところにあります。こうした私の実体験からお話しさせていただくつもりです。

企業を例に取り上げれば、本を書くことで採用にかかるコストが減った、募集に困ることが減った、本を営業ツールとして活用できた、などの事例がいくつもあります。また個人では、本を書くことで社会的に認められた、会社で独自のポジションが得られた、社外活動の場や副業を幅広く手に入れられるようになった、生き方の幅が広がった、などの事例があります。

経営層から文章や表現の相談を受けることが多く、とくに近年、書くことで人材採用の活性化につなげたい、という相談を受けることが増えてきました。

このようなきっかけからも、私の職業体験を社会に生かすことができないかと、今回のセミナーを企画しました。

いま、IT企業はもとより、国内では慢性的な人材不足が社会問題化しています。本セミナーが、なんらかのお役に立てたらと思っております。

関心のある方は、以下サイトから参加登録ができますので、お申込みください。

【Doorkeeper:セミナー参加登録サイト】
https://goo.gl/C88AAz

セミナーを通し、書くこと「会社や自分の明日が見える」、をお持ち帰りいただけたら嬉しいです。

当日、会場にてお目にかかれることを、心から楽しみにしております。

三津田治夫

「東欧のエクソシスト」は意外に面白い:『尼僧ヨアンナ』(ヤロスワフ・イヴァシュケヴィッチ著)

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今回は、ワイダ晩年の映画『菖蒲』の原作も書いたポーランド文学者、ヤロスワフ・イヴァシュケヴィッチの作品を取り上げる。

『尼僧ヨアンナ』と聞くと、1962年のイエジー・カヴァレロヴィッチの作品を思い出す映画ファンも少なくないだろう。東欧文学独特の、なんともいえない幻想的な雰囲気を漂わせている。岩波文庫に入り手軽に読めるようになったので読んでみた。

どんなお話かというと、ひとこと、「悪魔祓い」。

ある修道院の尼僧たちが集団で悪魔に憑かれる。
その悪魔祓いをしようと派遣されてきた牧師のスーリンが、修道院で不思議な体験をする物語。
17世紀にフランスで起こった実話に基づいた小説だという。

最も強力な悪魔憑きは修道院長のヨアンナ。
彼女には6つの悪魔が憑いている(らしい)。
悪魔とは本当にいるのか、神が万物を創造したのであるなら悪魔も神が創造したのではないか。そして悪魔とは本来、「人間」ではないのか。
こうした深刻な問題を読者に突きつけてくる。
物語のラストもまた強烈である。

学生時代に映画を観て感動し、原作に手を出してみたが(当時は恒文社から出ていた)、いまいち響かなかった。
年月を経て改めて読んでみて、こんなに深く、美しい作品だったのかと、内容の濃さを発見した次第だ。

映画においては、ヨアンナが悪魔に憑かれて暴れ回り、ひどい言葉を吐くシーンが印象的。これは東欧の「エクソシスト」であり、さまざまな角度から評価することができる作品でもある。

社内外の読書仲間たちに紹介して、皆さん「面白い」と評価が高かったことも、て付け加えておく。

また映画を観たことがない人には、ぜひ、カヴァレロヴィッチの作品も併せて観ていただきたい。

三津田治夫

コミュニティと共産主義、そして美しい造本は、多彩なエクスペリエンスを与える:『ヴォルプスヴェーデふたたび』(種村季弘著)

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1980年に刊行されたこの本、楽しみながら味読した。
19世紀後半にドイツに作られた芸術家コミュニティ、ヴォルプスヴェーデをめぐるエッセイ集。

現在でもドイツはブレーメン郊外に観光地として存在するヴォルプスヴェーデ。詩人リルケが一躍有名にした村である。
自然に還れ、芸術は自然の中にあるをスローガンに、ユーゲントシュティルの画家ハインリッヒ・フォーゲラーがこの村の運営を行った。リルケをはじめ、のちに彼の妻となる彫刻家のクララ・ヴェストホフ、画家のパウラ・モーダーゾーン・ベッカーなど、名だたる芸術家たちがこの村を本拠地に自由闊達な創作活動を繰り広げた。

リルケはのちにこの村を去り、ロダンとの親交を通して世界的詩人として名を挙げる。同時期『ヴォルプスヴェーデ』を発表し、小さな芸術家村の名前を世界に広く知らしめた。

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ヴォルプスヴェーデの運営者、いわばコミュニティリーダーであるハインリッヒ・フォーゲラーは、村の支援者から経済的支援が途絶え、のちにロシアに移り共産主義に身を投じトロツキー派として活動を展開するが、スターリンが政権を握ることで国を追放される。命からがらドイツに帰還するも、失意の晩年を迎える。
ハインリッヒ・フォーゲラーの半生をキーワードでくくるとすれば、創作、コミュニティ、共産主義、の3つである。

創作とコミュニティとはいまでこそわかりやすい概念で、ものづくりの場としてのコミュニティ、協創の場としてのコミュニティ、という考え方がある。
共産主義というと、計画経済や情報統制、プロバガンダなど、日本人にはいまの北朝鮮から受けるイメージが強いが、元を正せば「共産」というぐらいで、働く人たちが助け合いながら生産活動を行い、成果物を平等に分け与え、それを世界に広げましょうという、共存と世界平和の発想から来ている。これもまた、現在のコミュニティという概念の基礎をなしている。

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生産した作品を商品化し、貨幣化し、村を回すという経済的循環の形成が、ハインリヒ・フォーゲラーのようにうまくいかないと、支援者の撤退とともに活動は終焉を迎える。

言い換えると、王侯貴族がパトロンとなって芸術家たちを養っていた時代はとうに終わっていた、ということである。芸術家が精神的のみならず経済的にも自立する時代が、ハインリヒ・フォーゲラーの時代にはすでに来ていたのだ。が、彼はその時代をキャッチすることができなかった。逆に、この時代を巧みに泳ぎ渡った芸術家の名前として即座に思い浮かぶのが、『三文オペラ』の劇作家ベルトルト・ブレヒトである。

20世紀初頭のこの時代、いまの時代になんとなく似ている気がしている。
創作活動を貨幣に変換することはいつの時代にも困難だが、貨幣化までの資金を援助する人物の存在もまたいつの時代にも重要、ということがわかる。いまでは、クラウドファンディングがあったり、さまざまなスタートアップの方法や情報交換のコミュニティなどがあり、活用の機会も多い。このように、創作活動を貨幣化するための敷居は確実に下がっている。これはいい時代傾向である。

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『ヴォルプスヴェーデふたたび』に戻ると、この本の内容はもとより、造本が実に素晴らしい。
箱入り上製本は、昨今の書籍制作原価削減でなかなかお目にかかれなくなったが、上製本には、ならではの妙味や美学がある。手に取ったときの肌感覚、書籍を箱の中からストンと落としたときに感じる重力の感覚、そして、表紙を開いて現れる見返しの図案の美しさを楽しむ感覚。

一冊の本からこうしたさまざまな感覚の体験が現れ出る。つまり、さまざまな表情の「エクスペリエンス」を感じることができる。エクスペリエンスを与えてくれる本だからこそ、手にして嬉しいし、読んで嬉しいし、蔵書して嬉しい。
本には、書かれた文字から得られる思考的なエクスペリエンスと、物体に触れるという触覚的なエクスペリエンス、物体を所有するという物欲的なエクスペリエンスの、3種類がある。本来、本は、知識欲と物欲という2つの所有欲が密接に結びついた独特の価値を持っているものだ。これも、この本を通して私が言いたかったことである。

三津田治夫

セミナーレポート:1月30日(火)開催「設計の謎の“本質”を探る」~第4回 本とITを研究する会セミナー~

今回は『システム設計の謎を解く 改訂版』の出版を記念し、「設計の謎の“本質”を探る」と題し、著者の高安厚思氏にお話しいただいた。

セミナー資料・スライドシェアURL

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設計の基本知識からシステム設計とアプリケーション設計、モダンな開発と設計手法、開発プロセスと設計まで、4つの話題を柱に、本で書かれなかったこと、また、本を書く動機となったことなどが語られた。

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気づきや発見の多い内容だったが、とくに、「文書は時空を超える」の言葉が印象的だった。ドキュメントにも「設計」が必要なほど、物作りになくてはならない重要な要素だ。物作りという観点で、規模は違えど、システム設計も、本作りと通じるなにかがあることを感じた。

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高安さん、これからも日本のエンジニアたちに「謎」を与え続け、「考える勇気」の素を送り続けてください!

三津田治夫

日本をアジア史から再確認し、未来を考える 『一外交官の見た明治維新』(上・下)(アーネスト・サトウ 著)

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通訳士として、親善の仲介役として、日本の政策に進言する参謀として、幕末の日本に配属された若きイギリス人青年外交官の目から見た、幕末から明治初期にかけての日本の姿がリアルに描かれた名著。

この本を支える2つのリアリティ
この本のリアリティは2つの支点で支えられている。
一つは、実体験を持った人の筆によるものなので、実に生々しい。目の前で本物の幕末が展開されているような印象さえ受ける。
そしてもう一つは、作者が外国人であるという点。
とかく幕末は、日本文化を決定的に切り分けるエポックであると共に、一つのノスタルジーとロマンでもある。
誰かに文書化され大衆に認知されたものが史実として残る。その意味で日本人の手により書き残された幕末像には、それなりのバイアスがかかっていると理解できる。
この考えに立脚すると、イギリス人のアーネスト・サトウが見た幕末像にこそ、西洋人というバイアスがかかった目の付け所や描写が多い、という見方もできる。だからこそ、おもしろいし、リアリティを感じる。日本人のバイアスのかかった幕末のリアリティとの差分を読み解くことで、実際の幕末を注意深く思い描くことができる。だから本書の内容は興味深い。

西欧帝国主義史の中に描かれた日本
興味深さの最大の理由は、日本の外から、しかも、イギリス人が幕末を描いた点にある。幕末に日本人がどういった志や考えのもとで列島内で動いたのかという歴史的な動向が、イギリス人の目で、一つの「アジア史」として描かれている。つまり、イギリスやフランスがアジア各国を占領した西欧帝国主義史の中に、日本の明治維新も、アーネスト・サトウの視点によってしっかりとはめ込まれているのだ。

1854年にペリーが黒船で来航し開国を迫った目的がビジネスにあったことは頭に入れておきたい。開国後の日本にイギリスとフランスがやってきて各港で海外物流が活発になった。イギリス人が薩摩藩士に殺害される生麦事件が起こったのが8年後の1862年で、この年にアーネスト・サトウは日本にやってきた。この物語は、生麦事件から1863年の薩英戦争、1864年にかけての下関戦争、そして1868~69年にかけての戊辰戦争を背景にした記録を中心に描かれる。

薩英戦争と下関戦争では薩摩藩長州藩がイギリス軍や連合国軍の武力に直面し、これでは太刀打ちできまいと、反発から転じて彼らを尊敬する態度へと身をひるがえす。こてんぱんにやられても相手を憎まず、きれいな言い方をすれば「相手の力を敬う」精神構造を日本人は持っている、と、ペリーの来航以来、西洋人は身をもって知った。
「強い者にはしっぽを振るふりをするのが上手な日本人」ともいえ、換言すれば「日本人の備えた高度な処世術」である。

黒船来港以来幕末の志士や藩士が佐幕か勤皇か将来の身の振りに右往左往している一方で、西欧列強諸国はアメリカ南北戦争の中古の武器をせっせと日本に送り、日本人同士を戦わせていた。ここに、西欧帝国主義史の中に組み込まれた日本の姿を直視した。

徳川幕府の260年を「沈滞の260年」と描写
幕末の日本を見たアーネスト・サトウの言葉を借りると、「とにかく大名なる者は取るに足らない存在」であり、彼らには「近代型の立憲君主ほどの権力さえもなく、教育の仕方が誤っていたために、知能の程度は常に水準をはるかに下回っていた。」という。「このような奇妙な政治体制がとにかく続いたのは、ひとえに日本が諸外国から孤立していたためであった。」と分析。そのうえで「政治の機構がひじょうに巧妙にできていたので、どんな小児でもそれを運転することができた」「こうして政治は沈滞したが、それが政治の安定とはき違えられたのである。」と結論づけている。すなわち、徳川幕府の260年は、安定の260年ではなく、「沈滞の260年」なのである。これぞまさに、変化を進化ととらえ、安定を停滞ととらえる西欧的な価値判断である。

幕府の将軍を、英文では英国のQueenと同じ「陛下」と呼んでいたが、言葉の上で将軍と女王が同格になってしまうので、これでは日本を天皇を君主とした共和国として認め、将軍をその代行者としたいイギリスの意図とは外れてしまう。そのため天皇にはEmperorという訳語を与えたという。このエピソードはとても印象深かった。外交とは、理屈や理論を通して交渉し、相手とこちらをすりあわせる、ということである。天皇や将軍といった他国の機構を自国の言葉で定義し、「外交の言葉を作る」という行為自体が帝国主義の下地にあることが理解できた。日本の皇族はしきたりや振る舞いをイギリス王室にならっているという理由は、幕末のこうしたエピソードからもうかがい知れる。

江戸の無血開城のエピソードで勝海舟は「慶喜の命を守るには戦争をも辞せず」としながら、「そんなことになったら天皇に不名誉を与えるから、内乱を長引かせるようなことは西郷の手腕で阻止されることを信じる」と述べているところも印象深かった。かなり過激な口調で火蓋を切りながらも、「天皇に不名誉を与える」と日本人の心を包括して話の抽象度を上げるという、無血開城を導いた勝海舟の政治手腕が、この小さなエピソードからも響いてきた。

幕末がラストに近づくと、土方歳三などを乗せ北海道に向かったフランス軍の率いる開陽丸が登場するが、作者は彼らを「徳川の海賊」と表現する。

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この、イギリス人による日本幕末史は、帰国してずいぶん経って調べ、書きまとめられたものらしい。このアーネスト・サトウという人物の知性や行動力には驚嘆せざるを得ない。当時の日本は恐ろしい剣術を持った尊王攘夷の武士がたくさんおり、白人があちらこちらで斬り殺されていた。危険な日本列島をアーネスト・サトウは徒歩や籠、船舶を利用して駆け巡り、日本とのつながりを結ぶきっかけを作った。

西欧式帝国主義や戦争侵略とは違った形で、日本は西欧列強とのおつきあいを開始したという、アジアでも特殊な事情がこの本からよく理解できた。アジア史における日本の立ち位置を知ることは、今後の日本を考える際に、価値の高い材料になることは間違いない。

三津田治夫

セミナーレポート:1月17日(水)開催「伝える力がイノベーションを起こす、ビジネスと人材を変革する言葉のマネジメント入門」

2018年1月17日(水)、本とITを研究する会新春第一弾のセミナーとして、「伝える力がイノベーションを起こす、ビジネスと人材を変革する言葉のマネジメント入門」を、ビリーブロード株式会社・神田イノベーションルームで開催した。そのセミナーレポートをお届けする。

「いま、イノベーションが大切な理由」
今回は二部構成で、前半は事業コンサルタントとして経験豊富な、ビリーブロード株式会社取締役の小関伸明氏により、後半は編集者で本とITを研究する会代表の三津田治夫によりセミナーが行われた。

◎VUCAワールドにおけるイノベーションの重要性を強調する、小関伸明氏f:id:tech-dialoge:20180119180237j:plain

第一部は、「いま、イノベーションが大切な理由」と題し、VUCAワールドと呼ばれる、複雑化して誰も先を見通せない現代を指摘するところからはじまった。
あらゆる業種で市場参入のハードルが下がり、商品やサービスがオーバースペック化、陳腐化が加速、過去の体験や前例が通用せず、人手不足と人材不足が同時進行するという、従来のやり方では通用しない、現実を打破する手法として「イノベーション」を取り上げた。
イノベーションとは、「従来のモノ、仕組み、組織などを改革して社会的に意義のある新たな価値を創造し、大きな変化をもたらすこと」である。経営理念に必要とされる意識改革、ともいえよう。
イノベーションにはいくつかの分野がある。その中で目下求められているものは、顧客の潜在課題を発掘して解決する「ビジネスモデル・イノベーション」である。
はとバスマクドナルドなど、いままで当たり前で気づかなかった顧客の潜在的課題を発見し、その解決に取り組むことで復活を遂げた企業がいくつもある。また、メルカリやラクスルなどの新興企業においてもビジネスモデル・イノベーションは事業を加速させる手段として取り入れられており、すでに数々の実績を上げている。

ビジネスモデル・イノベーションの源泉は「顧客の潜在課題の気付き」
現場レベルで求められるものは、「仕事は指示通りに無駄なく効率的に行うもので、失敗は悪いこと」の真逆をいく発想である。つまり、自らが気付き、考え、行動するという発想である。ここからアイデアの種が生まれ、ビジネスモデル・イノベーションを実現する芽が育つ。単に経営者が「アイデアを出せ」と命令しても、たいていは出てこない。それ以前にこのような種が生まれ芽が育つ土壌をつくりだすことが、経営者に与えられた重要な課題である。そこで経営者は、「なんのために」という自らの経営課題を本質から洗い出し、それを経営理念に落とし込む必要がある。
ビジネスモデル・イノベーションの源泉は、「顧客の潜在課題の気付き」である。顧客の潜在課題を発見し、解決するためのサービスを生み出すには、複雑化・スピード化したいまの社会、中長期計画や売り上げ目標といった数値に基づいた従来型の経営手法だけでは対応できなくなっている。

◎「1on1」でミッションを自分の中から発見するf:id:tech-dialoge:20180119180123j:plain

そこで経営者に求められるものが、「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の徹底的な洗い出しと共有である。これらはおのおの、自分たちがいつか実現したい社会的使命、どのようにミッションを実現するのか、日々どのように考え行動するのか、と翻訳することもできる。これらを経営者は洗い出し、言語化し、アウトプットする。これをもってスタッフやクライアント、パートナーと共有するのである。

その出発点である「ミッション」は自分の中から発見する。それには、内省法や対話法、セルフストーリーやマインドマップの作成など、さまざまな手法がある。これらの手法を駆使してミッションを発見し、言語化する。

◎「人材とビジネスの変革を同時に進めるメソッド」を紹介f:id:tech-dialoge:20180119180030j:plain

ミッションさえ見つかれば、ビジョンとバリューは具体的なものなので、比較的容易に言語化ができる。言い換えれば、このミッションを探すことに時間と労力を要する。

「言葉のマネジメント・スキルの獲得」をゴールに
後半の第二部においては、「言葉のマネジメント・スキルの獲得」をゴールに、経営者から掘り起こされたミッション、ビジョン、バリューをいかに言語化し、メディアを通して人に伝え、共有するかという方法が解説された。

◎「言葉のマネジメント・スキルの獲得」をゴールに第二部を担当する三津田治夫f:id:tech-dialoge:20180119175915j:plain

この内容は、2017年に実施されたセミナー「現役編集者による 人に伝わるライティング入門」を経営者向けにアレンジしたダイジェスト版である。詳細については以下をご覧いただきたい。

「現役編集者による 人に伝わるライティング入門」
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2018/01/04/113614
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2017/11/16/133139

セミナーでもお伝えしたが、いま、携帯電話やスマートフォンの普及でメディアが身近になり、誰もが言葉を操り、メディアを駆使し、情報発信ができるようになった。かつて、情報発信ができる人は、新聞記者や作家といった、一部の職業の一握りの人に限られていた。そうした制約が取り払われた現代は「1億総編集者の時代」と、私はお伝えしている。だからこそ人には編集力が必要であり、経営者やリーダーにとってはそれがなおさらである。
いまのような複雑かつ不確定な時代の変革期として、我々の歴史に明治維新があることも、セミナーでお伝えした。明治維新後の日本(参考記事)は、日本語辞書をつくった大槻文彦や哲学者の西周文人政治家の勝海舟などが持つ、「編集力」が築き上げた。編集力とは言い換えれば、言葉のマネジメント力である。変革期における言葉のマネジメント力の重要性は、このように歴史がすでに実証している。

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今回は、事業コンサルタントと編集者のタッグという、異色の組み合わせにおいて「言葉」を学んだ。このような形で、さまざまな形態のセミナーを通し、いまの時代を豊かに生き、成長する方法を模索、共有できたらと思っている。また対話の機会が持てたら幸いである。

三津田治夫

1月17日(水)、新春第一弾セミナー「伝える力がイノベーションを起こす、ビジネスと人材を変革する言葉のマネジメント入門」を開催

きたる1月17日(水)、本とITを研究する会の新春第一弾のセミナーとして、「伝える力がイノベーションを起こす、ビジネスと人材を変革する言葉のマネジメント入門」を開催いたします。

今回は「イノベーション」を起こすための「伝える力」をテーマに、“事業コンサルタント”と“書籍編集者”という、前代未聞のタッグによる二部構成でお届けします。

「前代未聞の」と申しましたが、実は、イノベーションにおいてリーダーの持つべき「伝える力」のベースとして、編集/ライティングの力は重要です。

ビジネスを創出し、創出したビジネスを顧客やスタッフなどパートナーと共有し、社会に新しい価値をもたらすために、あなたはどのような行動を取るでしょうか。そこでおそらく、あなたはパートナーに向かって、ビジネスに対する考えを話し言葉や書き言葉で投げかけるはずです。その際、言葉を投げかける方法として求められるものが、言葉のマネジメント、つまり、編集/ライティングの力です。

言い換えれば、現代のリーダーに求められるスキルは、ビジョンとミッション(ビジネスに対する考え)を洗い出し、それを言語化して相手に伝える、言葉のマネジメント能力です。

事業コンサルタントと書籍編集者が本セミナーに登壇する理由はここにあります。
セミナーの前半では事業コンサルタントとして経験豊富な小関伸明氏による解説を通し、自分の中からビジョンとミッションを掘り起こし整理する、その方法をお伝えします。そして後半では、書籍編集者の三津田治夫がビジョンとミッションを言語化し、整理し、編集/ライティングにより言葉をWeb/Blog、SNSで発信し、顧客やスタッフ、パートナーたちに伝え、リーダーの意思を共有する方法をお伝えします。

事業コンサルタントと書籍編集者の手がける仕事は、決して離れているものではなく、むしろこれら組み合わせは、いまの時代に求められている一つのスキルセットです。

本セミナーに興味のある方は、以下サイトから詳細をご確認、参加ご登録ください。

【セミナーの詳細と登録サイトはこちらです→】
https://goo.gl/M3iQUD

当日お目にかかれ、直接対話できることを、スピーカー一同、心から楽しみにしています。

最後に、本コミュニティが主催してきたセミナーの実績を以下に列挙します。興味のある方は、こちらもご一読いただけたら幸いです。

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セミナーレポート:12月16日開催『AIとロボットに未来はあるのか?』~AIエンジニアとロボティシスト対談の夕べ~(前編)
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2018/01/09/132529

セミナーレポート:12月11日(月)開催「現役編集者による 人に伝わるライティング入門」
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2018/01/04/113614

セミナーレポート:「現役編集者による 人に伝わるライティング入門」(11月11日(土)開催)
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2017/11/16/133139

セミナーレポート:「AI(人工知能)ビジネスの可能性を考える」 ~豊かな対話の場を共有~
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2017/08/30/221455
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三津田治夫