本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

コロナと「変わる」ということ

f:id:tech-dialoge:20200526123342j:plain

新型コロナウイルスの到来で「働き方や生き方インフラがガラリと変わるされる」と言われている。

この、変わる、とはなにか?
すなわち「革命」である。
日本人が直近で遭遇した革命は150年以上前にさかのぼる。
明治維新(Meiji restoration and "revolution")。

明治維新のとき、日本人はどういう反応をしていたのだろうか。

「袴を脱ぐなんて、ありえない」
「ちょんまげを切るなんて、どうかしている」

である。
しかし袴をはいていたら輸入した軍艦を運転できない。
ちょんまげではヘルメットもかぶれない。
武器を操れないと西欧列強に攻め入られる。
そして、日本列島も植民下に置かれることになる。

「生存をかけた危機感」から、日本人は袴もちょんまげも捨てた。
いまの日本人も、似たような心の状況だろう。
生存をかけた危機感という意味で。

「部下が目の前にいない仕事なんて不安で仕方ないから、うちはテレワーク禁止」
「ハンコがないなんてありえないから、印鑑を持って電車で90分通勤してきなさい」

は、現状況をきっかけに、大きく塗り替わることは間違いない。

革命とはつねにこうだ。
革命以前のことが、古臭くて、野蛮。
そして、前近代的なもの、ダサいもの、古臭いもの。
こうみなされる。

そして革命からさらに時間がたつと、懐かしい。
ノスタルジー、牧歌的……。
こういった、革命以前のことが趣味的な領域へと移行していく。

上司の目の前で集合して働き、印鑑を紙におしていること。
これは、古臭くて野蛮なことと、そろそろなっていくだろう。
そしてその次。
働き方や生き方は本質の革命まで、どこまで向かって行くのだろうか?

明治維新を経て日本人は、働き方や生き方をドラスティックに変革していった。
日本人独自のメンタリティを残しながらも。
第二次世界大戦ではまたまた別の意味で働き方や生き方をドラスティックに変革していった。

さて、これからどこに行くのだろうか?

市民が向かっている道はほぼ決まっている。
が、あとは行政がどのように歩調を合わせてくるのか、である。

苦しい時期ではある。
しかし、いま、革命の世界史の一幕を万人共通で体験している。

大変な時期であり、こんな体験はお金では決して買えない。
「事実は小説よりも奇なり」とはこのこと。
生きているだけでこんな体験まで得てしまうとは、夢にも思っていなかった。

一度の人生、ポジティブな明日に向かって生き延びていきたい。

そしてこの状況を冷静にかみしめ、一歩一歩、成長してまいりましょう。

三津田治夫