本とITを研究する

「本とITを研究する会」のブログです。古今東西の本を読み、勉強会などでの学びを通し、本とITと私たちの未来を考えていきます。

コラム/エッセイ

考えたこと、気になること、意見、などをまとめました。

コロナと「変わる」ということ

新型コロナウイルスの到来で「働き方や生き方インフラがガラリと変わるされる」と言われている。 この、変わる、とはなにか?すなわち「革命」である。日本人が直近で遭遇した革命は150年以上前にさかのぼる。明治維新(Meiji restoration and "revolution"…

『紅い砂』(高嶋哲夫 著)を読んで ~社会変革と「壁」そして自由の本質(後編)~

(前編から続く) 警察が強権をふるう監視社会当時の東ドイツでは西ドイツのテレビ放送を傍受することができた。これにより東ドイツの人たちも西ドイツの情報を持っていたが、傍受した内容を学校や町中などで口にすると、市民に紛れた秘密警察(ゲハイムディ…

『紅い砂』(高嶋哲夫 著)を読んで ~社会変革と「壁」そして自由の本質(前編)~

『紅い砂』(高嶋哲夫 著、幻冬舎刊)は、元米兵ジャディスが率いる革命軍が内戦で中米コルドバの政権を奪取し、民主主義国家を樹立する、という物語だ。独裁政治と薬物による暗黒経済が支配するコルドバの国民は、自由を得ようと、メキシコとの間に米国が築…

いま考える、生存のインフラ「文化」について

見えない敵、新型コロナウイルスは、私たちの生活に覆いかぶさるよう日々情報を更新している。さまざまな意味で、破壊的である。先日は日本赤十字社が、ウイルスの次に来る脅威は「情報が与える恐怖」という啓蒙CMを流しはじめた。新型コロナウイルスの感染…

自由で健康な心身で乗り越える、「情報」との戦い

一次情報にあたることで、情報としての毒性から逃れる新型コロナウイルスを書くことは、無闇に読む人の恐怖心を煽るというリスクがある。しかし恐怖心とは、「自分の力でコントロールできる」と気付くことにより、低減、もしくは消滅する。ここでは、「自分…

本当の意味での、本に向き合い自分に向き合う時代の到来

書籍の販売数は年々減少し、雑誌はさらに減少という状況を示す「出版不況」という言葉。出版業界にいる人が耳にタコができるほど聞いているお題目である。 最近は、雑誌が読まれる機会が本当に減ってきた。かつては雑誌流通が出版流通を下支えし、これに乗っ…

人と自然にまつわるさまざまな情報が集まる、川の土手

川の土手に出ると、人と自然にまつわるいろいろな情報が集まる。とくにすれ違う人とのあいさつを通した相手の表情や視線は、多くを物語っている。土曜は曇り空のせいもあってか、元気のない雰囲気だった。これは少なからず、新型コロナウイルスの影響だろう…

「本」とのスリリングな出会いを求めて ~いまこそ、読書会のすすめ~

読書というと、じっと一人で読むもの、というイメージがあったが、最近はそうでもない。非常にアクティブで、外交的なツールとしての本がある。とくに近年、読書会が流行の兆しを見せている。流行というよりもむしろ、定番の活動として世間に定着しつつある…

書籍三題噺 ~本と本は次元の高いコンテキストでつながっている~

『人生を変える心理スキル99』(岸正龍著、きこ書房刊)を読み終えた。 カバーイラストの軽さとは相まって、400ページ以上にわたって、フロイトやユングなどの古典的な心理学から行動経済学までを広く取り扱い、実用的にすっきりしっかりとまとめられている…

1000人突破!感謝いたします。本とITを研究する会に向けて

このたび、出版関係者やITエンジニアを中心に結成された「本とITを研究する会」のメンバーが、1000人を超えました。 本とITを研究する会https://tech-dialoge.doorkeeper.jp/ 加入していただいた仲間たち、イベントや勉強会、セミナーに参加していただいた仲…

令和改元から半年、ベルリンの壁崩壊から30年周年を迎え、考えた「分断」と世界

旧東ドイツ側から撮影した、東西世界分断の象徴である、ベルリン・ブランデンブルク門 旧東ドイツの象徴的モニュメント「世界時計」(ベルリンにて撮影) ベルリンの壁の破片(実物)令和改元から半年。同時に、東西冷戦の象徴であるベルリンの壁崩壊から11…

驚異のiSO式フラッシュ速読と、子どもの脳の不思議な力

このところ速読が注目されている。欧米の横文字文化では速読が当たり前で、アメリカのケネディ大統領が速読の技術で大量な書類をさばいていたというエピソードはよく耳にする。1960年代から日本でも日本語の速読をビジネス用途で開発する人たちが現れ、同時…

「夏休み子供科学電話相談室」から学ぶ「どうして?」の力

毎年夏になると、NHKラジオで恒例の「夏休み子供科学電話相談室」が放送されている。最近は仕事で子供たちと接する機会が多い関係もあってか、これを聞くたびに、子供たちの感性の豊かさに心が動かされる。たとえば、 「どうして星は流れ星になって落ちてこ…

教養としての「文学」のすすめ

7月3日(水)には勉強会「AI導入は出版業界を救うか?」を開催する。5月10日のブログエントリーで書いたとおり、登壇者の二人であるITエンジニアの三井さんと文学YouTuberベルさんとで、事前MTGを実施した。このときの議事録を読みながら、本を巡った談話の…

Springフレームワークを巡る16年

「Spring Boot2」はSpringフレームワークの一部として基幹系システムでよく使われている定番Javaフレームワークである。私の会社で制作をお手伝いした、2018年11月発刊の『現場至上主義 Spring Boot2徹底活用』(韓国版の発刊も決定)は、Spring Boot2とその…

『コンビニ人間』を読んで考えた「自分らしさ」を追求する手段としての「教養」と「感性」

このごろよく使われるキーワードに「自分らしさ」がある。2016年に第155回芥川賞を受賞し、その後文庫化され累計100万部を突破したベストセラー『コンビニ人間』。この作品を読んだ人は本ブログ読者にも多いはずだ。 主人公は30代半ばの独身アルバイト女性。…

「ボヘミアン・ラプソディ」と「ゴルトベルク変奏曲」が見せてくれた、「体験」を進化させるテクノロジーの力

映画「ボヘミアン・ラプソディ」が大ヒットで、空前のクイーンブーム到来と言われている。第91回アカデミー賞で5部門にノミネートされ、1月時点で累計興行収入100億4168万7580円、観客動員は727万904人に到達したそうだ。クイーン世代の中高年に限定されず、…

バウハウスを訪ねる旅(後編) ~ライプツィッヒ~

(前編から続く) ライプツィッヒバウハウスを訪ねる旅の最終目的が、この、ライプツィッヒだった。ライプツィッヒはバウハウスにゆかりの深い街、というわけではないが、この街に住む友人の母親がバウハウス作品のコレクターであり、生家がバウハウスの建造…

バウハウスを訪ねる旅(前編) ~ヴァイマール/ベルリン/デッサウ~

今年2019年は、ヴァイマールでバウハウスが設立されてちょうど100周年。これを記念して、本サイト「本とITを研究する」にて、2011年にバウハウスを訪ね歩いた際のレポートを二度に分けてお届けする。 1世紀前のクリエイターたちが、どのような環境で現代芸術…

新年、あけましておめでとうございます。

新年、あけましておめでとうございます。 今年も、新しい一年がはじまりました。コミュニティ「本とITを研究する会」が2017年に立ち上がって一年半が経過。運営会社の株式会社ツークンフト・ワークスは1月11日づけで起業1周年を迎え、二期目に入ろうとしてい…

私が体験した23年前のITの「学び」

30万人のITエンジニア不足が予測される、2020年のIT業界問題をご存じの方は多いはずだ。12月7日(金)、その課題解決につながるセミナーを実施する。 私自身もこれには特別な問題意識を持っている。ちなみに30万人がどんな数かというと、私が住む埼玉県越谷…

2020年に来る30万のIT人材不足に備え、ITエンジニア研修を考えるセミナーを開催します

いま日本は、深刻な人材不足に見舞われている。仕事があるのに人材が確保できずに倒産する企業もこれからは増える。とくにIT業界は深刻である。 経済産業省が発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、2020年にはビッグデータやAI関…

台湾で考えたメディアのこと、日本の「本」のこと(後編)

(前編から続く) 台湾のテレビを見ながら日本のメディアのことを考えていると、ふと、日本の出版のことが思い浮かんだ。出版業界も視聴率を求めるテレビ業界と同様、経営難で生き残るために必死で、短期で収益化できる本が評価される傾向が日増しに高まって…

台湾で考えたメディアのこと、日本の「本」のこと(前編)

9月27日から4日間、高雄経由で台北のITコンベンション「Taiwan Innotech Expo」と「Discover Advanced Trends in E-commerce 2018」に仕事で行ってきた。 ◎超高層ビル「台北101」を直下から撮影 超高層ビル「台北101」に隣接する台北世界貿易センターで開催…

ディープブルーはなぜ勝ったのか?

しゃべり言葉に書き言葉、言葉にはいろいろあり、いずれも人間同士が考えを相手の頭脳に送り込むための媒体が言葉だ。人間同士の会話にはこうした言葉が使われるが、人がコンピュータに対して考えを送り込むために使う言葉は、いまのところ、プログラミング…

「ブラックボックス」のジレンマ ~AI時代に感性を磨く大切な意味~

近ごろはどこに行くにもiPhoneのGoogle Mapを利用している。行き先の住所や名称をインプットすれば自分の位置がマッピングされ、リアルタイムで行くべき方向を画面や音声で指示してくれる。大変便利だ。そこで最近気づいたことは、Google Mapを利用するよう…

AI自動運転に関する一つの提案 ~現代の産業革命を支える巨大な要素~

AI自動運転のことを考えていて、ずいぶん昔、工場にロボットが大量導入されたころ、ロボットが暴走して人間にけがを負わせたり殺してしまったらどうするのかという議論がさんざんとなされていたことを思い出した。しかし工場のロボットとAI自動運転の問題と…

2020年から必修化されるプログラミング教育への意見 ~なにを主眼に見据えるべきか?~

2020年から子供たちにプログラミング教育が実施される。この計画が果たして日本の教育に根付き、そして日本は欧米列強と並んでソフトウェア開発立国となることができるのだろうか。そして、日本がすべきプログラミング教育は、どこに主眼を置くべきか。これ…

本とITを研究する会、2017年の振り返り・まとめ

2017年も残すところあとわずかになりました。仕事納めや大掃除など、師走のお忙しい時期を過ごされていると思います。7月にコミュニティが発足して、12月でちょうど半年が経ちました。この半年、大変お世話になりました。無事、年を開けることができそうです…

第3次人工知能ブームは、私たち人類に「問い」を投げかけてくれた

第3次人工知能ブームの与えた貢献は、人類の未来の可能性や利便性を高めるといった期待以前に、私たち人類に「問い」を投げかけたという点にある。 つまり、「知性ってなに? 人間ってなに? 身体ってなに?」と、AIは、人が自問自答し、人が哲学的になるき…